絵を描き始めたばかりの初心者にとって、
絵の構図を考える事は難しい事です。
しかし、絵の構図は、
いわば絵の設計図なので、
これをしっかり設計しないと
例えば、
迫力ある絵を描きたい時も
そう伝わらなかったりする場合も。
結果、
下手な絵
という烙印を押されかねません。
逆にいうと、
絵の設計図の描き方さえ覚えてしまえば、
自分の意図した雰囲気の絵を簡単に描けてしまう
ということでもあります。
そうなれば
自分の伝えたいメッセージも絵を見るだけで
ちゃんと相手に伝わることでしょう。
今回は、
初心者が自分の思い通りの
雰囲気の絵を描くためにどうしたらいいか
具体的な例を交えながらお話します。
過去に構図を考える際のポイントを
書いた記事もあるので合わせてお読みください。
どのような絵を描きたいか考える
まずは、
何を描きたいか
決めます。
風景なのか、お花なのか、可愛い女の子の絵
なのか。
それを決めたら、今度は
どのような雰囲気の絵にしたいか
考えます。
悲しい雰囲気の絵なのか、
明るい絵なのか、
迫力のある絵にしたいのか。
先に構図を決めて、
それに合わせて描くのではなく、
先にどのような絵を描きたいのかを決めて、
その雰囲気を出すためには、
どのような構図がいいか
考えていきます。
初心者にオススメな三分割法
出典:fotoria
次に、
初心者にオススメな構図の考え方を
ご紹介します。
それは、ずばり
三分割法
これは、イラストだけでなく、
カメラで写真を撮る際にも用いられる
構図の考え方です。
まず、
画面を縦・横それぞれ三分割
します。
そして、
それぞれの線が交わったところに要素を置くだけ
というシンプルなもの。
特に、
一番目立たせたい物、絵の主役などをその交わったところに置く
と絵が安定します。
風景画の場合は、
三分割した横線のいずれかに水平線を引くと
いい感じになります。
反対に、
脇役やあまり目立たせたくない物は
そこからずらして置くようにしましょう。
なぜ、
この三分割法を利用すると
絵が安定するかというと、
それぞれの線が交わった箇所が
黄金比に近いからです。
黄金比とは、
古くから伝わる人間が美しいと感じる比率
の事。
近似値は、5:8もしくは8:13ですが、
これをいちいち計算するのは
結構めんどくさい。
しかし、この三分割法を使えば
簡単に黄金比に近い比率を作ることができるのです!
人物の配置や水平線を引く位置にも根拠が持てる
という観点からもオススメです。
情景、感情、雰囲気を出すための構図
キャラの顔を強調したい時、躍動感を出したい時は俯瞰構図で!
俯瞰構図とは、
高いところから見下ろした構図
のことです。
一番上の物が大きく見え、下にいくほど狭まって見えます。
そのため、
高い場所にいることを強調したい時
にこの俯瞰を使うと良いでしょう。
また、
キャラの頭部が最も大きく見える構図
なので、
キャラの顔を強調したい時にも
この構図を用いると良いでしょう。
ポイントは、
俯瞰の効果をより出すために、
足先まで描くことです。
そうすることにより
さらに奥行きが感じられます。
キャラの迫力、威圧感を出したいならあおり構図
あおり構図とは、先ほどの俯瞰構図とは反対に
下から見上げる構図
のことです。
俯瞰とは逆に、
上にいくにつれ狭まっていきます。
キャラの威圧感を出したい時や、
ものすごく高いビルなどの迫力を出したい時
にあおり構図を使用しましょう。
ポイントは、これまた俯瞰とは反対に
足先まで描かないようにすること。
これは、
上に行けばいくほど小さくなるという性質上、
足先まで描いてしまうと
顔が小さくなり過ぎて
見えづらくなってしまうから
です。
あくまで
何かのキャラクターの絵を描いている時は、顔が一番の主役
のことが多いので注意しましょう。
(クリーチャーやモンスターなどは例外)
正面、垂直、水平に近くなればなるほど安定し静的な絵に
垂直に配置された構図、
地平線が水平な構図
は安定し、静かな印象の絵になります。
画面中央に正面を向いた人物を配置すると、
堂々とした威厳を感じられる
ようになるでしょう。
注意しなければいけないのは、
落ち着いて静かな分、単調で動きがなく、
つまらない絵になりがち
です。
初心者の場合は避けた方が無難でしょう。
また、
この構図には
賑やかな雰囲気は似合いません。
人は多く描かず、余白を持たせて
荘厳さを出しましょう。
斜めの線や中心からずれたところに主役を置くと動的な感じに
中心からずれたところに主役を置くと
動きが感じられ、動的な絵
になります。
先ほど紹介した三分割法もこの理屈に当てはまります。
ほとんどの絵は
このような構図になっているので、
初心者のうちは
中心からずらして配置するよう意識
しましょう。
さらに、
地平線を斜めにしたり、
主人公を斜めに立たせたりすると、
より動的な絵になります。
また、
登場させる人物や要素を増やすと、
さらに賑やかな絵に。
あまり増やし過ぎても画面がうるさくなるので、
バランスには注意です。
引きの構図で余白をいっぱいとると静かで上品なイメージに
大きくし過ぎず、余白を十分とるように主役を配置
すると
静かで上品
なイメージになります。
静かで落ち着いた印象の絵にしたいなら
画面にすっぽり収まるように主役を小さめに描きましょう。
そうすることで、
背景を広く描くスペースも生まれ、それが情緒を表現
します。
画面からはみ出して描くと迫力が生まれる
反対に、
絵に活気を出したいなら、
強調したいものを
画面から大きくはみ出すように
描きましょう。
そうすることで、
生き生きとした活気や迫力
が生まれます。
先ほどとは反対に
余白を少なくして、主役部分を強調するように
大きく描くことがポイント
です。
まとめ
絵を描く場合には、まず
自分はどんな絵を描きたいのか考える
必要があります。
迫力のある絵にしたいのか、
怪獣の大きさを表現したいのか、
静かな農村を描きたいのか。
そして、それらを表現するには、
どういう構図にしたらいいか
考えます。
今回紹介したのはほんの一例ですが、
構図を考える際の基礎的な内容になりますので、
きちんと押さえておきましょう。
また、
映画のポスターや本の表紙の絵を見る際も、
この絵はどんなイメージを伝えたいのか、
どんな構図になっているのか、
と考えるのもかなり勉強になるので
オススメです。
以上、
今回は
構図の考え方について説明いたしました。